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様々な

  音楽療法

音楽療法士100名いたら、100の音楽療法があると言われています。

これは対象となる「A」(施設や個人など)1つに対する音楽療法のことで、1つの対象で行う音楽療法の場合、音楽療法士100名が行ったら100の違う音楽療法セッションスタイルがあるという事です。

では逆に対象となる方が様々な場合はどうでしょうか。

考えていきたいと思います。

まず対象となる方々、大きく分けると

 1)年齢の違い
   ・児童 ・成人  ・高齢者

 2)疾患の状態

   ・健康    ・内科的疾患

   ・外科的疾患  ・脳的疾患

   ・精神的疾患

 3)心の状態

   ・明るい ・暗い ・寂しい

   ・悲しい ・苦しい

 4)社会的環境

   ・学生 ・社会人 ・無職

   ・定年後 ・家族と同居

   ・一人暮らし

   ・地域

   (都市部、地方、山間部、海岸など)

 5)言語の状態

   ・未発達

   ・途中喪失(低年齢時〜高年齢時)

 6)ストレス要因

   ・金銭 ・暴力 ・孤独 ・死別

   ・事件/事故  ・仕事  ・異性

   ・恋愛  ・いじめ ・生活環境

   ・学業  ・身体
 7)過去の出来事

   ・何事もなく順調

   ・様々なことに翻弄され波瀾万丈

   ・精神的出来事

   ・身体的出来事

 8)余命時間

   ・とりあえず余命を考えなくても良い

   ・余命を宣告されている

 9)生きる意欲
   ・意欲満々 ・日々流されている

   ・自らの死を願う

 

など対象となる方には、様々な状態の方がいらっしゃいます。

では、これらの方々への音楽療法は?
そうです、考えるまでもなく「対象となる方々に合わせた音楽療法」を行わなくてなりません。

様々な音楽療法セッションスタイルとなるわけです。

 

また集団(大勢または少数人数)なのか、個人なのかによっても、音楽療法セッションスタイルは変わってきます。

 

音楽療法セッションスタイルは様々なのです。

対象となる方や、周りの状況などを考慮し、臨機応変に音楽療法を行わなくてはなりません。

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時々「楽器を使わないのは音楽療法ではない」というお言葉を頂きます。

様々な音楽療法セッションスタイルが求められておりますので、楽器を使わない音楽療法があっても良い、と言うより本協会のナラティブ音楽療法では、楽器は弾けた方が良いが、楽器を弾けることが絶対必要条件とは考えていません。

 

「楽器を使わないのは音楽療法ではない」「CDなどより生演奏の方が良い」などとお考えの方は、ナラティブ音楽療法は無理と思います。

つまり「○○でなければならない、という考え方」をする方です。

 

ナラティブ音楽療法では「無知の姿勢(アプローチ)」を大切にしています。

「無知」とは一般的に言われる、知らないこと・知識がないこと・おろかなこと、ではなく「この人はこういう人」などの先入観や、「この場合はこうでなくてはならない」「常識的にはこうであるべき」などという考えをなくし、自由な発想・精神で接する姿勢のことです。

そもそも私は「音楽とはこうでなければならない」など「音楽の定義」を知りません。音楽とは自由なものだと思っています。

 

セラピストの自由な発想で利用者の方を「心豊かに」。

ナラティブ音楽療法の基本的な考え・目的です。

利用者の方が「心豊かに」なって頂くために、

・楽器があった方が良い場合、

  なくても良い場合

・歌や音楽でなく会話をした方が良い場合、

  歌った方が良い場合

・笑って頂いた方が良い場合、

  涙ぐんで頂いた方が良い場合

・音楽に合わせて

  身体を動かした方が良い場合、

  音楽はない方が良い場合

など、様々な場面が考えられます。

それら様々な場面にセラピストは自由な発想で臨機応変に対応し、セッションを進めなければなりません。

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・アイコンタクトで「心豊かに」

・握手で「心豊かに」

・笑って「心豊かに」

・歌って「心豊かに」

・泣いて涙ぐんで「心豊かに」

・想いを話して「心豊かに」

・昔のことを思いだし・語り「心豊かに」

・身体が動くようになって「心豊かに」

・声が出るようになって「心豊かに」

・誰かとコミュニケーションができて

 「心豊かに」

・障がい・余命を受け入れ「心豊かに」

先日、「歳をとってから、こんなに楽しい時が来るとは思わなかった。

毎日がいきいきとして楽しい」と高齢の女性の方から告げられ、大変嬉しくなりました。

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様々な音楽療法の中で「楽器演奏技能が絶対必要条件」となる状況もあります。

例えば、言語でのコミュニケーションが難しい利用者の方への音楽療法です。

言葉でのコミュニケーションより、音楽を用いてコミュニケーションを構築しなければならない場合です。

音楽でコミュニケーションをとる訳ですから、コミュニケーションをとれるだけの演奏技能が求められます。

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このように音楽療法には様々な「音楽療法セッションスタイル」が求められるわけです。

しかし基本的な目的は1つ、利用者みなさんが「心豊に」なって頂くこと。

ナラティブ音楽療法は「心豊かに」を目指した音楽療法です。

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