To the world
シェリルハウス
Sherrill House
2019 Boston(ボストン)
2019年6月27日
日本ナラティブ音楽療法協会
理事長 大湊幸秀
New Yorkからアメリカン航空でボストンへ移動し、ボストンで音楽療法士として活躍しています「小沼愛子」氏の案内で高齢者施設「シェリルハウス」を訪問しました。
ここの施設での音楽療法は、案内をして頂いた「小沼愛子」氏が、バークリー音楽大学音楽療法学部を卒業後に初めて音楽療法を行った施設で、それもボストン市内、初の音楽療法セッションという「小沼氏にとって、想い出深い施設」でした。
ここの施設は「190床」という大きな施設で、「音楽療法」の他に、「アートセラピー」「ドッグセラピー」「ダンスセラピー」など様々なセラピーを行っているとのこと。
真ん中の方の音楽療法セッションを今回見学させて頂きました。
「小沼愛子」氏と同じく、バークリー音楽大学音楽療法学部を卒業とのことです。
バークリー音楽大学・音楽療法学部
教授 カレン氏と
「シェリルハウス」施設内です。
私(大湊)は、アメリカでの音楽療法は「個別・音楽療法」と思っていました。
個人主義が強いアメリカでは「集団・音楽療法」はなく、病院や施設での各人個室での音楽療法が主流と勝手に思っていたのです。
小沼氏にこのことを話すと「アメリカでも日本と同じく、集団での音楽療法、ありますよ」とのこと。
そして、ここ「シェリルハウス」の集団音楽療法を見学させて頂きました。
音楽療法の対象者は、建物のその階に入居されている方で、80〜90歳くらいの方々15名程度。日本と同じくやはり男性は少ない。
セラピストはギターを持ち歌いながら、横長に集まっている皆さんの所を一緒に歌いながら、会話をしながら、アイコンタクトを取りながら周り、時にはリクエストも取りながら、次々と歌っていきます。
最初、歌う曲に私はビックリしました。
「プレスリー」や「ポールアンカ」などなのです。
しかし考えて見ますと、皆さんが若かった頃の歌なのです。
日本での「演歌」「歌謡曲」と同じです。
ある歌が終わった後、利用者さんが歌詞の中の女性のことを「この女はヒドイ奴だ」と冗談交じりに発言。セラピストや周りの利用者さんと、このことについていろいろな意見が交差していました。
ナラティブ音楽療法と同じ「対話・笑い・歌唱」の音楽療法と感じました。
その日の雰囲気やリクエストなどを行い、即興的なセッションとなるためか、また記憶への刺激が目的となどと思われ、歌詞の提示はされません。
忙しい中、この施設へ見学の交渉などをおこなって頂いた小沼氏、日本から来る見ず知らずの私を快く招き、見学を許可して頂いた管理者のPawal氏、セラピストのChelsea氏に感謝です。
ちなみに、入居費用は「1日、約3万円」とのことです。
いろいろな補助などがあると思いますが、日本との差にビックリしてしまいます。ただ以前訪問しましたロンドンやパリの施設も同じような金額でした。