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To the world

ブンネ・メソッド音楽ケア

BUNNE METHOD

2023 Sweden(スエーデン)

2023年11月

日本ナラティブ音楽療法協会 会員

​井上 忍

 

“皆様、スウェーデン発祥のブンネ・メソッド音楽ケアをご存じですか?”

「音楽なのに、楽譜が読めなくても、楽器を一度も弾いたことがなくても誰でも音楽を楽しめる。 」というこの音楽ケアに魅了された私は2023年11月スウェーデン発祥のブンネ・メソッド音楽ケアの本部があるスウェーデンを訪ねました。

本部は首都ストックホルムより特急で2時間半ほど離れたスウェーデン北部Hudiksvall 駅から徒歩15分程のところにあり、スウェーデンの北の端といっても言い過ぎではありません。

11月という季節がそう感じさせるのか、日の出は遅く、日の入りは早いという北欧の環境であります。

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ブンネ創立者

ステン・ブンネ氏(左)

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私が現地でお世話になった

アンデス・モス

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ブンネ・メソッド音楽ケア

スウェーデン本部の建物

ブンネ・メソッド音楽ケアスウェーデン本部の建物は、個人の住宅と思うようなこじんまりしたスタジオでしたが、2階建てで 1 階はブンネ楽器を販売している店舗と、ブンネ楽器を製造している工房があり、2 階はブンネ・メソッド音楽ケアのスウェーデン本部事務所と音楽教室を兼ねたサロンとなっております。

【ブンネ・メソッド音楽ケア】

スウェーデン発祥のブンネ・メソッド音楽ケアってなに?と思われる方が多いと思います。日本にもブンネジャパン支部があります。しかし、まだまだ日本では認知度が高くはありませんが、日本の高齢者のサークル・介護施設・障がい者施設・幼稚園では活発に活動されております。

また、スウェーデンでは、高齢者施設・障がい者施設・幼稚園・小学校などの授業でも多く取り入れられており活動も一般的に行われております。

ブンネ・メソッド音楽ケアは音楽療法とは異なり、音大や音楽療法士という指導資格が課せられているわけではありません。ブンネ・メソッド音楽ケアのいくつかの講習ステップを受講し認められた後、取得で学んだことを指導できます。

ブンネ・メソッド音楽ケアは、ステン・ブンネ氏が創設し、「私っていいね!」というメッセージがあり、楽譜が読めなくても今まで楽器を弾いたこともない誰にでもそして障害があるなしに関わらず簡単に弾ける楽器がほしいという思いからブンネ氏がブンネ楽器を開発し、その楽器を用いて行う音楽ケアです。

では、ブンネ氏が開発したブンネ楽器とはどのようなものかご紹介いたします。

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スイングバーギター

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単音フルート

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ミニベースギター

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チャイムバー

ブンネ楽器は 4 種類あります。一般的に多く使われているのはスイングバーギターで、弦のところに左手で握れるバーが付いており主要 3 和音を押さえることができます。ピックを右手に持ち弦をリズムで刻んで弾きます。

また、ブンネ・メソッド音楽ケアには、五線紙の楽譜はなく色分けられた楽譜があります。

しかし、基本的には指揮者を見てブンネ楽器を演奏することから楽譜を見て演奏することはほとんどありません。

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【ブンネ楽器の弾き方】

ブンネ・メソッド音楽ケアには指揮者が必要です。そして指揮者の合図で演奏を行います。

ブンネ楽器はニ長調に設定されており、スイングバーギターにも赤・黄・緑で印が付いています。指揮者の手の位置が中央にあるときはD 黄色でドミソの和音となり指揮者の手の位置が右に傾けられると G ド・ファ・ラの和音、指揮者の手の位置が左に傾けられると A 赤色でシ・レ・ソの和音となり、スイングバーギターはⅠ度・Ⅳ度・Ⅴ度の三和音で構成されています。そしてリズム(右手に持っているピック)も指揮者の手が動いているリズムと同じ動きでピックを刻みリズムを演奏します。

演奏者はこの時、①指揮者を見て、指揮者の手が左・中央・右に動いたのかを見る和音の選択。②指揮者のリズムを見るリズムの再現。③演奏と同時に歌唱する。という3要素を同時に認識して演奏します。

このことは、認知機能への刺激となり指揮者の指示と同じようにできた時には、「私っていいね!」というブンネの目的につながることになります。ブンネは楽器演奏の上達を目標としているのではないのです。

指導者と1 対 1 で演奏することもあれば、2 人 3 人、10 人のグループで演奏することもあり常にコミュニケーションが寄り添います。

私が本部を訪ねたその日は、地元の高齢者オーケストラチームがブンネの練習日ということで、アンデス・モス氏と高齢者施設を訪ねました。

下記写真左は高齢者施設・右はブンネオーケストラの皆様10 名の高齢者グループでブンネ楽器のスイングバーギターに加えベースとアコーディオンでチームを作りスウェーデンの民謡、ヨーロッパの童謡などの歌を唄いながら演奏し、時には歌の内容に合わせてお花の飾りが付いた帽子を身に付けたり仮装をするというユーモアが感じられる楽しい演奏をされておりました。

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Hudiksvall の高齢者施設

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Hudiksvall のブンネオーケストラの皆さん

国が異なると音楽の楽しみ方もいろいろです。

練習は 1 時間ほどで終わり、その後は恒例のお茶タイム。クッキーやケーキを手作りで持ち寄りコーヒーを飲みながら練習後も引き続き楽しい会話が始まりとても贅沢な時間を過ごされていると感じました。

冒頭にお知らせしたように北欧は16時を過ぎると薄暗くなり、夜は長く家族で音楽を聴いたり楽器演奏をしたり、また読書や絵画などの趣味の時間に充てて家族と北欧の夜を楽しむという環境があり、羨ましく感じました。

【ブンネ・メソッド音楽ケアの心理的効果 】

私は、過去に修論のテーマに高齢者におけるブンネ・メソッド音楽ケア体験によるポジティブ心理的効果の検討を行い、この研究に参加していただいた方の年齢は60歳から87歳で3つのタイプ別による研究を行いました。

グループ1は軽度認知症のグループホームに入所している 10 名、グループ2は地域コミュニティーに参加している健常な高齢者 5 名、グループ3は地域クラブサークルに参加されている健常な高齢者 5 名にご協力をいただき、グループ3には最終回に演奏会を行う。という目標設定を行い、それぞれブンネ・メソッド音楽ケアを 5 回通して実施を行いました。

その結果、軽度認知症があるなし、または年齢に関わらず指揮者の合図でブンネ楽器を弾くことは可能でありました。

演奏は①和音の選択、②リズムの再現。③歌唱という3要素を同時に認識しハードな実施でありましたが、演奏実施後にはリラックス効果が示されていることから“私っていいね!”心理的効果が示唆される結果となりました。

このことから、達成感や自己効力感に基づく心理的効果が示唆され、演奏会を行う。という目標設定を行ったグループに関しての調査では、意欲の高揚が見られ、より顕著なポジティブな心理的効果が得られる可能性が示されました。

終わりに、スウェーデンは社会福祉国であり、実際に肌でそれを感じ、家族と過ごす時間が多くあることで家族の仲が良い環境でもありました。また、スウェーデンストックホルムには毎年11月にノーベル賞授賞式が行われることで有名で、私もノーベル博物館を訪ねました。博物館には歴代の受賞者のプレートが飾られており、カフェには受賞者が座った椅子に受賞者名前がプレートに付いておりました。

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ノーベル博物館

そして、スウェーデンといえば、有名なグループがあります。

そうです、ABBA です。

ストックホルムには ABBA ミュージアムもあり、1 階には簡単なステージが用意されており、ミュージアムを訪れた人がマイクをもってそのステージで ABBA の歌を唄っておりました。

マイクの取り合いとなりとても賑やかでした。

私は懐かしさで胸がいっぱいになりました。

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ABBA ミュージアム

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ABBA 人形

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